ベクターデータをラスタライズする
答えはこれだけです。たったこれだけで家庭用インクジェットプリンターでの出力品質がアップします!細部までこだわるデザイナーさんは是非試してください。
それでは、実際に比較サンプルをプリントしてみましたので、その工程とあわせて見てください。
使用するデータ
今回は僕の名刺の裏をサンプルに印刷してみたいと思います。
使用するプリンターはCanon PIXUS PRO-100
ごめんなさい。家庭用とタイトルを書きましたが、仕事で使うプリンターなので高性能なもので、家庭用ではないかも知れません(汗
ただ、今回のプリンターの対象としては
非Postscript対応プリンターとなります。
このCanon PIXUS PRO-100 もインクの色数が多かったりしますが、
非Postscript対応プリンターです。
それでは、以下の設定で印刷してみます。
- インクジェット専用紙(今回は手元にあった、エプソン社のスーパーファインペーパーです。)
- プリント設定は「きれい」
ベクターデータのままのプリント結果
汚い・・・。
ロゴもシャギーがでてますし、小さい部分は潰れてしまっています。
また、小さい文字は線の太さが均一じゃなく、とても汚いです。
僕は昔からこのように出力されるのが、とても嫌でした。
今回の方法に気付いたのは10年以上前にPM-4000PX というプリンターを使っていた時です。独立前のサラリーマンが使うようなプリンターではありません(笑)当時からかなりのプリンター、画質バカだったと思います(苦笑)
それでは、このデータをベクターデータからラスタライズして、ビットマップ画像に変更します。
イラレでラスタライズ処理をして、ビットマップ画像に変換します。
先ほどの名刺データを選択した状態で・・・
メニューバーの オブジェクト>ラスタライズを 選択
設定はこんな感じです。
品質的は解像度300以上に設定しておけばキレイです。
アンチエイリアスは必ず
アートに最適(スーパーサンプリング)を選択しましょう。
※他の設定はお好きにどうぞ。
それでは、さっきと同じ設定で印刷してみます。
ラスタライズしたプリント結果
みてください!
ロゴまわりや小さな文字がシャープでキレイに印刷されています。
※「ラスタライズデータ」というところはラスタライズ化してないので、曲線部分がびびってしまってますね。
分かりにくいかも知れないので、2枚並べてみました
どうでしょうか?
プリント結果はデジカメで撮ったので、色の違いはありますが、あきらかにキレイに印刷されていることが分かると思います。
特に精密なイラストを描くイラストレーターの方だったりすると、作品の品質が1ランク上がると思います。「なんでイラレからの出力は汚いんだ」と思っていた人の役に立てれば幸いです。
デザイナー、イラストレーターの方はぜひ試してみてくださいね^^
※ラスタライズしてもキレイに印刷されなかった人へ
illustratorでラスタライズしても、キレイに印刷されないことがありました。
そういう時はイラレデータをPhotoshopで開いて完全にビットマップ画像として印刷してみてください。Photoshopから出力すれば、キレイに印刷されると思います。
補足と考察
ベクターデータのままキレイに出力するためにはPS対応のプリンターが必要だったり、インクジェットプリンターだとRIPが搭載されているものが必要になります。
この辺りを書いていくと、難しくてよく分からん状態になるのでやめておきます(笑)
あと、僕はMacを使っているので、windowsの場合どうかなどは分かりません。
今回テストしていてラスタライズしても、解像度の数値によって上手くいかないことがありました。そんな時は解像度の数値を変えるか、イラレのデータをフォトショップで読み込んで画像形式で出力など試してみてください。
色の再現性をよくできるかも知れない方法
家庭用インクジェットプリンターの場合、プロファイルはRGBで読み込まれていることがほとんどです。
そのため、イラレのデータがCMYKのデータであっても、一旦RGBに置き換えて出力した方が再現性がよくなる場合もあります。
メニューバー>ファイル>ドキュメントのカラーモード>RGBカラー で変更できます。
後はいろいろと試してみてくださいねー。
画面通りの色をプリンターで再現するのは、永遠のテーマと言っても過言ではありません。ディスプレイの設定や、プリンターへのプロファイル埋め込み、プリンターのスペックなどなど言い出したら切りがないので。。。
手っ取り早いのは
インクの色数が多いちょっと高いプリンターを買うと、割と簡単に画面に近い色を出してくれます。
・・・・。以上です!
それでは、また。