プリント

【必見!】ドライTシャツにダイレクトインクジェットプリント

2020年5月に導入した新型のガーメントプリンター(ダイレクトインクジェットプリンター)を紹介します。
これまでのインクジェットプリンターでは非常に難しいとされてきた濃色ポリエステル100%の生地に対して、非常に鮮やかで、柔らかな印刷ができるようになりました。

白インクの白色度が高いので、上から印刷するカラーインクも本当にキレイに発色します。低温で乾燥するインクのためドライ生地でもほぼほぼブリードが起きません。

そのプリンターはコーニット社のKornit AVALANCHE POLYPRO(コーニットアバランチポリプロと読みます) です。

早速ですが、ポリプロでドライTシャツに印刷しているところを動画に撮影しましたので、ご覧ください。

スポーツのシーンでよく使われるポリエステル100%のドライTシャツヘのプリント方法は今までは以下の方法で行われていることが一般的でした。

  • シルクスクリーン印刷
  • 昇華印刷
  • カッティング転写
  • フルカラー転写
  • カラーレーザー転写

それぞれの印刷方法にあうデザインであればよいのですが、苦手な部分というものが存在していました。

  • シルクスクリーン印刷
    – 版が必要
    – 色数が多いと高くなる
    – 少ない枚数だと高い
  • 昇華印刷
    – 生地が白にしか使えない
  • カッティング転写、フルカラー転写
    – 細かいデザインには対応ができない
    – 転写の際のプレス痕が残る
    – シートを貼り付けているので、面積が広いと通気性が悪く暑い
  • カラーレーザー転写
    – 発色があまり良くない
    – 耐久性が低い
    – 転写の際のプレス痕が残る

今回弊社が導入したポリプロは上記の問題をほとんど解決した夢のようなインクジェットマシンです。

ちなみに今現在日本には4台ほどしか導入されてないそうです。

※2020年5月現在

それではポリプロの良い点をあげていきます。

濃色ポリエステルでも抜群の発色

キレイに印刷されたカラーチャート

厳密に言えばこれまでのインクジェットプリンターでも濃色ポリエステル生地に印刷できることはできました。
それぞれの業者さんが前処理剤を開発していたので、弊社でもその都度テストしていましたが、どうしても解決ができない問題が多かったのです。

×これまでのインクジェットで満足できなかった点

  • 熱プレス機による前処理剤の跡がクッキリ残る
  • 前処理剤の影響で生地が硬くなる(洗濯すれば戻る場合あり)
  • 綿100%に比べると発色は70点ぐらいに落ちる
  • ブリードして生地の色が透けてしまう。
    (※ブリードとは生地に着色している染料が乾燥時の熱でインクにも着色してしまうような現象のことです。例えば赤いTシャツに白のインクを印刷すると白いインクが赤い生地の染料が混ざりピンクっぽくなってしまうのです。)

○ポリプロのインクは白さがすごい

ポリプロの白インクは白色度がかなり高いため、濃色の生地に印刷しても色が沈むことがほとんどありません。白色度が高い白の上にカラー印刷をするため発色も鮮やかです。
また透明(アルファチャンネル)の画像データにも対応しているため、黒のTシャツに湯気のような表現も可能です。

透過画像のデータを印刷したTシャツ
バスケットボールの表面もキレイに印刷されています。

非常に柔らかく伸縮性のあるインク

ポリプロで印刷したTシャツは生地の風合いをそこなわず、非常に柔らかいです。また伸縮性が高く引っ張っても割れません。(白インクを引かないプリントについてはインク量が多くないので割れるというか引っ張ると隙間はできます。引っ張るのをやめれば戻ります。)
これまでのプリント方法ではすぐに割れてしまったり、生地を引っ張れないほど厚かったり、せっかく柔らかいドライTシャツの風合いを損なっていました。

Tシャツに印刷した部分を引っ張ってみます。
↓これが印刷したままの状態です。

引っ張る前の状態

左右にビヨーーーンと、これだけ引っ張っても割れません。

横に2倍広がるぐらい引っ張っても割れません。

堅牢度が高い

オリジナルTシャツだと「生地を裏返してネットに入れて40度以下で洗濯してください」というような注意をされているショップは多いです。
長く使っていただくためにはそうした方が良いのは間違いないのですが、何も気にせず洗いたいのが本当のところですよね。
そこで、ポリプロで印刷したTシャツをネットにも入れず、ドラム型洗濯機で洗濯&乾燥を30回繰り返してみましたが、ほとんど変化がありませんでした。
※生地を長持ちさせたい人は真似しないでくださいね(笑)

洗濯&乾燥を30回繰り返したあとの状態

ポリエステルだけじゃない!綿や麻、デニム素材にも印刷が可能

ポリプロという名前ですが、ポリエステル専用というわけではなく綿にも印刷ができます。発色や伸縮性などもポリエステル同様です。

オマケ

せっかくなので、本体の写真をいくつか載せていきます。
写真では伝わりにくいですが、本体は相当大きいです。横幅2.5m奥行き3.5mぐらいあります。
黒をベースとしたボディで見た目もかなり良い感じです。

手前にでている2つのテーブルに生地をかぶせて印刷していきます。

横の扉にもコーニットのロゴがあり、細かいところにもこだわりやデザイン性の良さを感じます。

扉を開けるとホワイトのヘッドと、カラーのヘッドが2つ並んでいて、印刷するときにはそれぞれが独立して動き、2つのパレットのどちらかは常に印刷しているような状態になります。
また、ヘッドが大きく1回の印刷幅が広いので大量生産も可能な高速印刷を可能にしています。

カラーのヘッド 左からブラック、マゼンタ、シアン、イエロー、エンハンサー(コーティングインク)
ホワイトのインクヘッド

以上アートワークスが導入した新型プリンター、コーニット アバランチポリプロを紹介しました。

デザイナーやイラストレーターの方、データで入稿が可能であれば、初期費用もかからず1枚からお作りできます。
色の再現性も高いプリンターですので、ご自身の作品をオリジナルウェアとして制作してみたい場合など、お気軽にご相談ください。

弊社が運営する下記サイトからのご注文・お問い合わせお待ちしております。(生地の持ち込みには対応できませんので、その点はご注意ください^^;)

https://artworks-kobe.com/

※デザイン内容や枚数により最適なプリント方法でお作りさせていただいております。全ての商品でポリプロを使用しているわけではありません。